登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習とは?講習TとUの内容を解説

更新日:2026/05/14

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登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習とは?講習TとUの内容を解説
Mikuさん

この記事を書いたのは

Miku
日本語教師養成課程で資格を取得し、日本語の指導歴は8年目。
学生時代はイギリスへの交換留学の経験もあり、卒業後は日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。
現在はマルタ島在住で主にフリーランスで活動する傍ら、「日本語教師ナビ」のライターを務める。


「登録日本語教員の経験者講習って、具体的にどのようなことを勉強するの?」

経過措置ルートを通じて、登録日本語教員の資格取得を目指している方の中には、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

今回は、そのような方のために、登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習T・U(以下、「経験者講習」)について、詳しく解説します。

参考:文部科学省「登録日本語教員の登録申請の手引き」「登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習〈講習概要〉

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登録日本語教員の経過措置とは

登録日本語教員の経過措置というのは、2024年4月から始まった日本語教師の国家資格化において、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(日本語教育機関認定法)への制度移行をスムーズにするために、一定期間設けられた特別な措置です。

登録日本語教員の資格を取得する経過措置ルートは、全部で6つあり(C・D-1・D-2・E-1・E-2・F)、旧制度での資格取得方法や取得時期などによって、選択できるルートは異なります。

経過措置ルートに関しては、『登録日本語教員の資格取得ルートにはどのようなものがある?』で解説しています。

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登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習について

D-1・D-2・E-1・E-2ルートでは経験者講習の受講が必要になる

経験者講習の受講対象者は、D-1・D-2・E-1・E-2ルートのいずれかを選択した人です。

D-1とD-2ルートは、主に日本語教師養成講座の修了者が、E-1とE-2ルートは、日本語教育能力検定試験の合格者が対象になります。

また、これら4つのルートは、現職者であることが条件です。

現職者とは、2019年(平成31年)4月1日から2029年(令和11年)3月31日の間に、法務省告示機関で告示を受けた課程や国内の大学、認定日本語教育機関で認定を受けた課程などで、日本語教師として1年以上(平均で週1回以上)勤務していた者と定義されています。

経験者講習T・Uの2種類がある

経過措置ルートで実施されている経験者講習は、TとUの2種類があります。

各ルートで受講が求められている経験者講習は、以下の通りです。

経験者講習の受講期間は、経過措置ルートの期間と同様に、2029年3月31日までとされています。

オンラインで受講する

経験者講習は、TとUのどちらも、インターネットを通じたオンデマンド形式で、自分の好きなタイミングでオンライン受講をすることができます。

システムにログインをして、あらかじめ作成された講習動画を視聴し、進めていきます。

経験者講習受講にかかる料金

経験者講習の受講にかかる料金は、以下の通りです。

経験者講習T+U 26,400円(税込)
経験者講習Uのみ 17,600円(税込)

講習料金は、いずれも収入印紙を通じて支払う必要があります。

収入印紙で支払った受講料は、いかなる理由があっても返還されないことが明記されているので、金額があっているかどうか、購入前にしっかりと確認しましょう。

対象者ではなくても経験者講習の受講は可能

経過措置のD-1・D-2・E-1・E-2ルート対象者ではなくても、経験者講習の受講をすることは可能です。

文部科学省が公開している経験者講習の概要資料にも、「それ以外の方は、本講習を受講する必要はありませんが、講習の受講を妨げるものではありません」との記載があります。

そのため、学習内容をもう一度復習したいという方や、興味があるという方は、受講料を払うことで講習を受けられます。

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登録日本語教員の経過措置・経験者講習が設置された背景

こちらでは、経験者講習が設置された背景について説明します。

新制度への移行にあたって生じる不利益を極力減らすことが目的

経験者講習は、日本語教師の国家資格化で新制度へ移行する上で、生じる不利益を極力減らすことを目的に設けられました。

特に、旧制度の下で日本語教師の資格を取得した人や、現職の日本語教師に、経験者講習の受講を義務づける代わりに、試験の一部や実践研修を免除して、登録日本語教員の資格を取得しやすいようにしました

また、現職の日本語教師の円滑な資格取得を促すことで、制度移行による教師不足を防ぎ、これまで法務省告示機関で日本語を勉強してきた外国人学習者の教育機会を、確保する狙いもあります。

法務省告示機関については、『法務省告示校とは?』で解説しています。

2000年・2019年以降に新たな教育内容が追加された

経験者講習が設置された背景としては、2000年(平成12年)と2019年に、日本語教師の資格を取得する際に習得が必要だった教育内容へ、新たな内容が追加されたことがあります。

追加された教育内容については、経験者講習Tの内容及び経験者講習Uの内容で後述しますが、経験者講習Tでは2000年に追加された教育内容を、経験者講習Uでは2019年に追加された教育内容を、日本語教師に補完してもらうことが目的となっています。

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登録日本語教員の経過措置・経験者講習Tの内容

以下では、経験者講習Tの内容について詳しく見ていきましょう。

経験者講習Tの目的

経験者講習Tの目的は、2000年3月30日に「日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議」によって報告された日本語教育のための教員養成について」で、新たに追加された教育内容を中心に習得してもらうことです。

具体的には、「社会・文化・地域」及び「言語と心理」の2つの分野が対象となります。

経験者講習Tの学習内容

経験者講習Tでは、以下の科目を学習します。

【1コマ目】日本語教育総論TA 世界と日本の社会と文化
言語政策
世界と日本の日本語教育事情
【2コマ目】日本語教育総論TB 多文化共生
日本語の試験
【3コマ目】日本語学習論A 談話理解
言語学習
【4コマ目】日本語学習論B 習得課程
学習ストラテジー
【5コマ目】日本語学習論C 異文化受容・適応
日本語の学習・教育の情意的側面

1コマあたりの授業時間は約90分で、1〜2コマ目は5レッスン、3〜5コマ目は3レッスンで構成されています。

動画の視聴時間は、合計で7.5時間とされており、各コマの最後に10問の確認試験があります。

経験者講習T修了の条件

経験者講習Tを修了するには、以下すべての条件を満たす必要があります。

それぞれの確認試験及び講習修了認定試験で、不合格となっても、追加費用なしで何度でも受験することができます。

また、基本的には次年度以降も動画の視聴・試験の受験が可能です。

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登録日本語教員の経過措置・経験者講習Uの内容

続いて、経験者講習Uの内容について詳しく見ていきましょう。

経験者講習Uの目的

経験者講習Uの目的は、2019年3月4日に「文化審議会国語分科会」によって報告された日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)改定版」で、新しく追加された教育内容を、日本語教師に習得してもらうことです。

具体的には、「日本語教師の資質・能力」「日本語教育とICT」「著作権」という内容が対象とされています。

また、入管法の改正などに、近年の日本語教育を取り巻く状況の変化に対応した最新の教育内容も含まれています。

経験者講習Uの学習内容

経験者講習Uでは、以下のような科目を学習していきます。

【1コマ目】日本語教育総論UA 日本語教師の資質・能力
目的対象別日本語教育法
【2コマ目】日本語教育総論UB 教育実習
授業分析・自己点検能力
【3コマ目】日本語教育総論UC 在留外国人施策
日本語教育史
言語政策
【4コマ目】日本語授業論A 日本語教育プログラムの理解と実践
【5コマ目】日本語授業論B コースデザイン
教材分析・作成・開発
【6コマ目】日本語授業論C 評価法
【7コマ目】日本語授業論D 日本語教育とICT
【8コマ目】日本語授業論E 著作権
【9コマ目】異文化コミュニケーション総論 異文化コミュニケーション
コミュニケーション教育
【10コマ目】異文化間教育総論 異文化間教育
多文化・多言語主義

1コマあたりの授業時間は約90分で、基本的に1コマ3レッスンで構成されています。
(ただし、1コマ目は6レッスン、3コマ目は7レッスン、6コマ目は8レッスン)

動画の視聴時間は、合計で15時間とされており、経験者講習Tと同様に各コマの終了時に、10問の確認試験があります。

経験者講習U修了の条件

経験者講習Uを修了するためには、以下すべての条件を満たす必要があります。

試験不合格時の再受験・次年度以降の動画視聴と試験の受験などに関しては、経験者講習Tと同様です。

参考:文部科学省「「登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習〈講習概要〉」

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登録日本語教員の経過措置・経験者講習TとUの申込み方法

申込みの大まかな流れ

経験者講習TとUの申込みの大まかな流れは、以下の通りです。

毎月20日に、受講状況が確認されており、修了条件を満たした受講者にメールで「修了証(電子データ)」が発行されます。

講習の受講は日本語教員試験の出願時点で修了している必要がある

D-1・D-2・E-1・E-2ルートを選択して経験者講習T・Uを受講する方は、日本語教員試験の出願の時点で講習を修了し、修了証を提出する必要があります。

そのため、講習の受講は、余裕を持って進めるようにしましょう。

また、2028年度(令和10年度)の日本語教員試験が、経過措置の適用を受けられる最後の試験となるので、注意してください。

参考:文部科学省「登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習〈申込方法〉」

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D-1・D-2ルート対象者は日本語教員試験・応用試験への合格も必要

登録日本語教員の経過措置におけるD-1・D-2ルートの対象者は、経験者講習T・Uの受講の他、日本語教員試験・応用試験への合格も必要となります。

尚、日本語教員試験の基礎試験に関しては、免除措置が適用されます。(実践研修も免除)

E-1・E-2ルートでは、基礎試験と応用試験の両方がが免除されますが、手数料を支払って合格証書を入手する必要があるので、注意しましょう。

日本語教員試験については、『登録日本語教員の試験(日本語教員試験)とは?』をご確認ください。

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応用試験の対策講座を実施している養成機関もある

応用試験の勉強をするなら、日本語教員試験の対策講座の受講を検討するのも一つの手です。

日本語教員試験の応用試験は、実際の現場における問題解決能力が問われるので、より専門性の高い内容を学習する必要があるためです。

以下に日本語教員試験対策講座を実施している養成機関の一部をご紹介しますので、興味のある方はチェックしてみてください。

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まとめ

今回は、登録日本語教員の経過措置に係る経験者講習T・Uについて、解説しました。

経験者講習に関しては、オンライン受講であることと、確認・講習修了認定試験は何度でも受験できることから、修了までのハードルはそこまで高くなさそうです。

一方で、2025年度に実施された日本語教員試験・応用試験で、D-1・D-2ルート対象者の合格率は、それぞれ67.6%、74.1%となっており、現職者であっても一定の難しさがある試験といえます。

したがって、対策講座などを利用した早めの試験対策が必要かもしれません。

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