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この記事を書いたのは
Miku
日本語教師養成課程で資格を取得し、日本語の指導歴は7年目。
学生時代はイギリスへの交換留学の経験もあり、卒業後は日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。
現在はマルタ島在住で主にフリーランスで活動する傍ら、「日本語教師ナビ」のライターを務める。
「日本語教育能力検定試験は役に立たない」
このような話を聞いて、悩んではいませんか。
日本語教育能力検定試験は、日本語教師養成講座よりも、資格取得までにかかる時間と費用が抑えられます。
しかしながら、せっかく検定試験に合格しても使い道がないのなら、受験をやめようか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、日本語教師歴7年目の私が、「日本語教育能力検定試験への合格は役に立たないのか」という点について解説していきます。
結論は、日本語教育能力検定試験に合格しておくと、戦略次第では周囲と差をつけることができ、常勤の日本語教師として雇用される可能性が高まります。
日本語教育能力検定試験とは、日本国際教育支援協会(JEES)が実施している民間の検定試験で、日本語教師になるために必要な知識を測るものです。
多くの日本語学校では、検定試験への合格を採用条件の1つとしてあげています。
試験は毎年1回(10月頃)のみ実施、合格率は25%前後と言われており、難易度がやや高い試験です。
2023年7月現在、日本語教師の仕事には教員免許のような公式な資格が存在せず(※)、日本語教育能力検定試験は民間資格の1つとして評価されています。
しかしながら、国内および海外の日本語教育の現場では、教師の能力を証明する資格として正式に扱われています。
※2024年4月より国家資格「登録日本語教員」が施行されます。
このように、日本語教育能力検定試験は、日本語教師になるための資格として広く利用されていますが、役に立たないという意見も多く見受けられます。
その理由は、大きく以下の3つです。
前項で説明した通り、日本語教育能力検定試験は日本語教育の知識を問うものなので、試験対策をして合格すれば、日本語教師に必要な知識を習得できます。
しかしながら、教育実習を受ける機会がないため、実践的なスキルは身につきません。
人によっては日本語教師としての資格はあるのに、実際に指導することは難しいという状況に陥ってしまいます。
そのため、日本語教師になるために検定試験の合格を目指す場合、実践的な部分は自分で1から学んでいく必要があります。
日本語教師として働くために、日本語教育能力検定試験への合格を目指す方は多いはずです。
しかし、日本語教師という職業は、全体の約7〜8割が非常勤講師(ボランティアを含む)となっている現状があります。
試験に合格するためには、おおよそ半年くらいの準備期間が必要とされていますが、それだけの時間と労力を費やすからには、それ相応に得るものがないと割に合いませんよね。
日本語教師は就職の難易度が高いため、検定試験に合格しても、常勤講師として雇われにくいという状況は変わらないかもしれません。
一般的に提示されている日本語教師の採用条件は、以下の3つです。
この中では日本語教育能力検定試験のみ、学歴の指定がなく、教育実習も必須ではありません。
したがって、語学学校によっては、大卒以上などの学歴や、日本語教師養成講座や指導経験と合わせた採用条件を設けています。
そのため、検定試験への合格だけでは、希望の求人へ応募できない可能性もあるのです。
日本語教育能力検定試験への合格は、もちろんプラスの側面もあります。
ここでは、検定試験へ合格する上でのメリットを3つご紹介します。
日本語教育能力検定試験は、学歴に関係なく誰でも受験することが可能です。
言いかえると、4年制大学を卒業していなくても試験に合格すれば、日本語教師として正式に働くことができます。
最終学歴が高卒や専門学校卒、短期大学卒の場合でも、改めて養成講座を受講したり、4年制大学へ通ったりする必要がないので、最短で日本語教師を目指せます。
海外では、日本語教師が不足している国だと、採用条件を満たしてさえいれば、すぐに仕事が決まりやすいです。
日本語教師としての資格を取得しようとした場合、最も費用を抑えられる方法が日本語教育能力検定試験への合格です。
独学で試験対策をしたとすると、合格までにかかる費用はテキスト代(2,000〜3,000円)と受験料17,000円(税込)のみです。
試験対策講座に通ったとしても、受講料は10万円前後です。
他のルートで日本語教師を目指すと、日本語教師養成講座の受講には50万円前後の費用がかかりますし、学歴を上げるために大学へ入り直すことは、あまり現実的ではありません。
そのため、検定試験合格は予算が限られている方でも、費用面を気にせず挑戦することができます。
日本語教育の現場では、実践的なスキルが重要視されているため、日本語教育能力検定試験への合格に加え、日本語教師養成講座を修了していると高い評価を得ることができます。
学校によっては、これら2つの資格を保持している教師へ追加手当を支給しています。
このような状況を踏まえて、養成講座を提供する会社も、検定試験対策講座とセットで販売するケースが増えています。
したがって、将来的に教育実習の受講を検討している方は、このようなセットタイプの養成講座を受講すると効率が良いかもしれません。
いずれにしても、検定試験と養成講座を組み合わせることで、周囲と差をつけてより良い条件で働くことが可能です。
日本語教師は、2024年4月から「登録日本語教員」と呼ばれる国家資格として運用されることが決まっています。
その社会的背景は以下の通りです。
登録日本語教員となるためには、新たに実施される「筆記試験への合格」と「教育実習」が必須になる予定です。
しかしながら、現行の制度で有資格者として働いている日本語教師に対しては、経過措置・救済措置で、筆記試験の一部と教育実習が免除されることが検討されています。
詳細については今後発表となるはずですが、日本語教育能力検定試験への合格者にも、何らかの措置が取られる方向であることと、筆記試験の内容は日本語教育能力検定試験がベースになる可能性が高いことを考えると、今のうちに検定試験へ合格しておくと役に立つといえそうです。
関連記事:登録日本語教員の経過措置とは?対象者と適用期間も解説!
今回は、「日本語教育能力検定試験は役に立たないのか」という点について解説しました。
検定試験は、合格したとしても実践的なスキルが身につくことはなく、常勤日本語講師としての就職に有利になるわけでもないため、役に立たないという意見が多いです。
しかし、現段階では検定試験に合格すると、学歴や年齢に関係なく、日本語教師として正式に仕事をすることができます。
ただし、これから検定試験合格を目指すのであれば、「登録日本語教員」の施行に備えて、日本語教師養成講座や教育実習の受講も検討することも有力な選択肢です。
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