日本語教育能力検定試験の合格点は?合格率の推移も解説!

更新日:2023/08/10

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日本語教育能力検定試験の合格点は?合格率の推移も解説!
Mikuさん

この記事を書いたのは

Miku
日本語教師養成課程で資格を取得し、日本語の指導歴は7年目。
学生時代はイギリスへの交換留学の経験もあり、卒業後は日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。
現在はマルタ島在住で主にフリーランスで活動する傍ら、「日本語教師ナビ」のライターを務める。


「日本語教育能力検定試験って、どのくらいの点数を取れば合格できるんだろう」

このように、日本語教育能力検定試験の合格点についての情報を集めている方に向けて、今回は、日本語教育能力検定試験の合格点と合格率の推移について、主に解説します。

結論をお伝えすると、日本語教育能力検定試験の合格点は、公表されていませんが、160点前後と推測されています。
また、合格率は年々上昇していて、2022年度は過去最高の30.9%となりました。

日本語教育能力検定試験とは?

日本語教育能力検定試験とは、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が1986年から実施している検定試験です。

現時点では、1年に1回、学歴に関係なく誰でも受験することができます。
日本語教育能力検定試験は、日本語教師に必要だとされる日本語教育についての基礎知識や能力が、どのくらいあるのかを測るものです。

検定試験は、試験Ⅰ〜Ⅲまでの3部構成となっており、以下5つの分野から出題されます。

  • ・ 社会・文化・地域
  • ・ 言語と社会
  • ・ 言語と心理
  • ・ 言語と教育
  • ・ 言語

こちらの記事『「日本語教育能力検定試験」とは?』で、日本語教育能力検定試験についての詳細を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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日本語教育能力検定試験の合格点

こちらでは、日本語教育能力検定試験の合格点について、ご説明します。

合格点は公表されていない

日本語教育能力検定試験の合格ラインとされる合格点は、公表されていません。
日本国際教育支援協会の公式WEBサイトにも、「合格点は公表していません。」(引用:日本国際教育支援協会「よくあるお問い合わせ FAQ」)と明記されています。

ただし、不合格の場合、総合点及び各試験の得点と、総合点が全受験者のどのあたりに位置するのかが8段階で表され、結果通知書に記載されます。

そのため、日本語教育関連の企業や個人が独自にデータを集めて、推定合格点として発表している現状があります。

合格点は160点前後とする意見が多い

日本語教育能力検定試験の合格点に関しては、さまざまな推定値が発表されていますが、160点前後とする意見が多く見受けられます。

2022(令和4)年度の合格点について調べてみても、158点や165点など、色々な意見がありますが、およそ160点あたりに集中しています。

日本国際教育支援協会が合格点を公表していないため、〇〇点だから合格・不合格とはいえないことが前提ですが、7割以上(168点以上/240点満点中)の点数を取れば、合格圏内に入ると考えられそうです

聴解と記述は差がつく問題

日本語教育能力検定試験において、受験者同士で差がつく問題は、聴解試験と記述式試験だといえます。

検定試験は、基本的にマーク式で行われ、試験Ⅰは日本語教育に関する知識の問題、試験Ⅱは外国人の日本語の発音や指導に関する聴解問題、試験Ⅲは日本語教育現場での問題解決能力を測る問題が、記述問題とともに出題されます。

この中でも、試験Ⅱの聴解試験と試験Ⅲの記述式試験は、受験者の点数のばらつきの度合を示す「標準偏差値」が高い傾向にあります。

こちらの表は、2022(令和4)年度の試験結果のデータから、各試験の標準偏差値を高い順に並べたものです。

試験Ⅲ(記述式) 16.3%
試験Ⅱ 14.1%
試験Ⅲ(マーク式) 12.4%
試験Ⅰ 11.9%

※各試験で満点が異なるため、標準偏差値は配点に対する百分率を採用しています。

参考元 日本国際教育支援協会「令和4年度 日本語教育能力検定試験 結果の概要」

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日本語教育能力検定試験の合格率

以下では、日本語教育能力検定試験の合格率について解説します。

過去5年の合格率推移

日本国際教育支援協会が、公式WEBサイトで公開している日本語教育能力検定試験の合格者数のデータをもとに、合格率を計算してみると、過去5年の合格率推移は以下のようになりました。

合格率は28〜30%で推移しており、年々上昇傾向にあることが分かります。

受験者数・合格者数・合格率の推移を表すグラフ

参照 「日本語教育能力検定試験の受験者数・合格率は?」

年度 合格率
2022年度
(令和4)
30.9%
2021年度
(令和3)
29.8%
2020年度
(令和2)
28.9%
2019年度
(令和元)
28.3%
2018年度
(平成30)
28.4%

※合格率=合格者数÷受験者数×100で計算。小数第1位以下は切り捨て。

参考元 日本国際教育支援協会「応募者・全科目受験者・合格者数 推移」

2022年度の合格率は過去最高の30%台

前回2022(令和4)年度に実施された日本語教育能力検定試験の合格率は30.9%で、過去最高を記録しました。

2022年度の受験者数は7,054名で、前年度(2021年)よりも受験者数が減少したにもかかわらず、合格率は上昇しました。

Mikuさん

Mikuさん:
こういった状況は、検定試験が簡単になったということではなく、日本語教師の需要が高まっていることから、日本全体で試験対策のしやすい環境が整ってきており、受験者のレベルが上がっているためと考えられています。

参考元 日本国際教育支援協会「応募者・全科目受験者・合格者数 推移」

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日本語教育能力検定試験の難易度

こちらでは、日本語教育能力検定試験の難易度について、お伝えします。

やや難しいレベル

前項でご紹介した合格率の推移から、日本語教育能力検定試験の難易度は、「やや難しいレベル」といえます。

2022年度の合格率30.9%で考えると、およそ10人に3人が合格する試験となっており、超難関ではありませんが、簡単でもありません。

検定試験は、試験範囲が広い上に、深く理解していなければ解けない問題が出題されるので、事前に十分な試験対策をする必要があるでしょう。

勉強すれば誰にでも合格はあり得る

日本語教育能力検定試験の難易度はやや難しいレベルですが、合格に向けてしっかりと勉強すれば、誰にでも合格はあり得るともいえます。
というのも、初回受験者は全体の60〜70%、初回及び2回目の受験者は全体の80%以上を占めているからです。

したがって、受験回数に関係なく、試験対策を十分に行えば、合格できる可能性は高まると考えられます。

参考元 日本国際教育支援協会「日本語教育能力検定試験 全科目受験者 受験回数別数 推移」

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日本語教育能力検定試験の合格点に最短でたどり着きたい方へ

以下では、日本語教育能力検定試験の合格点に、最短でたどり着きたい方へのアドバイスをお伝えします。

日本語教育能力検定試験対策講座の受講がおすすめ

最短で合格を目指すのであれば、スクールで日本語教育能力検定試験の対策講座を受講することをおすすめします。

検定試験の幅広い試験範囲の中には、言語学や教授法などの専門的な科目も含まれています。
スクールの検定試験対策講座であれば、そのような専門分野に詳しいプロの講師が、出題傾向に沿って要点をまとめ、初心者でも理解しやすいように説明してくれるので、効率よく学習を進められます。

検定試験対策講座の学費相場は10万円前後ですが、通信講座だと5〜6万円で受講できるものもあります。

スクールによっては合格率が80%以上

日本語教育能力検定試験の合格率は30%程度ですが、検定試験対策講座を実施しているスクールだと、合格率が80%以上の所もあります。

特に、大手のスクールでは、現役の日本語教師や学界の著名な講師を採用し、最新の出題傾向を取り入れた質の高い授業を提供しているため、講座修了生の合格率が高いです。

そういった合格実績の豊富なスクールでは、検定試験対策だけではなく、実際の日本語教育の現場に即した、指導ノウハウも学べるでしょう。
本番の試験前に、模擬試験で練習ができる点も魅力的です。

独学で合格するには計画性が必要

スクールに通わずに、自分で日本語教育能力検定試験の対策をすることも可能ですが、独学で合格を目指すには、計画性が必要になります。

その理由は、日本語教育能力検定試験は、1年に1回しか実施されていないためです。

したがって、試験対策期間で、具体的に何をどのくらい勉強するのか、月ごと・週ごと・日ごとに細かく決めて、実行していくことが重要です。

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日本語教育能力検定試験の受験で気をつけるべきこと

最後に、日本語教育能力検定試験の受験で、気をつけるべきことを4つお伝えします。

2022年度から出題範囲が改訂

日本語教育能力検定試験は、2022(令和4)年度に出題範囲が改訂されたので、注意してください。

この出題範囲の改訂で、従来の出題範囲に新しい項目を追加するなどの再編が行われましたが、出題内容が大幅に変更されたわけではありません。
試験構成や問題形式にも、特に変更はありません。

そのため、以前までの試験対策をベースにしながらも、新しい出題範囲に基づいた教材や講座を選択して、勉強を進めていく必要があります。

参考元 日本国際教育支援協会「日本語教育能力検定試験の出題範囲の移行について」

全範囲が出題されるわけではない

日本語教育能力検定試験の出題範囲は、全5分野・50項目ですが、全範囲が出題されるわけではありません。
前述した改訂後の出題範囲から、日本語教師に必要とされる基礎的な知識・能力に関する問題が、中心に出題されることとなっています。

したがって、過去問などで最近の出題傾向を把握し、重要ポイントを押さえながら試験対策をすることが大切です。

2023年度からオンライン出願へ変更

日本語教育能力検定試験は、2023(令和5)年度からオンライン出願へ変更されました。
郵送での出願は、原則認められないこととなったので、気をつけましょう。

検定試験の申し込みは、パソコン・スマートフォンからオンライン出願サイトへアクセスし、アカウントを作成して手続きを進めていきます。

基本的には、日本国際教育支援協会の公式WEBサイトにあるオンライン出願ガイドに従っていけば、手続きが完了しますが、念のため早めに出願準備を始めた方がいいでしょう。

日本語教育能力検定試験への合格だけでは実践力不足と評価されることも

日本語教育能力検定試験への合格だけでは、日本語教師として実践力不足だと評価される場合があるので注意が必要です。
実際に、日本語学校の教師採用試験では、日本語教師養成講座の修了者か、すでに指導経験のある教師が優先的に採用される傾向にあります。

現行の制度では、検定試験に合格していれば、有資格の日本語教師として働けますが、教育実習などで実践的なスキルを身につける機会がない分、実際の現場での指導に難しさを感じる方が多いのも現状です。

そのため、これから検定試験の合格を目指す方は、実践力の習得も兼ねて、日本語教師養成講座の受講を検討してもいいかもしれません。
検定試験対策講座とセットでお得に受講できるコースもあります。

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まとめ

今回は、日本語教育能力検定試験の合格点と、合格率の推移を主に解説しました。

検定試験の合格率は30%前後で、やや難しいレベルの試験となっていますが、しっかりと計画を立てて対策をしていけば、合格できるチャンスは誰にでもあります。
しかしながら、検定試験は1年に1回しか実施されていないため、一度不合格になってしまうと、高いモチベーションを維持しながら、もう1年踏ん張らなければなりません。

したがって、効率よく勉強を進めて、日本語教育能力検定試験に最短で合格するためにも、スクールの検定試験対策講座の受講を検討してみてください。

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