日本語教員養成課程・実践研修の実態調査報告書を公開|文科省(2026/10/08)

更新日: 2026/10/08

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ニュースの概要

文部科学省は、「令和7年度 日本語教員養成課程・実践研修実態調査業務報告書」を公開しました。

この調査は、質の高い日本語教員養成の在り方を検討するため、大学等の日本語教員養成課程、文化庁届出受理日本語教員養成研修実施機関、登録実践研修機関、登録日本語教員養成機関における教育内容などの現状を把握することを目的に実施されたものです。

調査対象は268機関で、有効回収数は246機関、回収率は91.8%でした。

日本語教員養成課程・実践研修があると回答した機関が開講している課程数は419課程で、経過措置Cルートの課程が191課程、登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関としての一体型課程が136課程でした。

地域別では、東京都が101課程で最も多く、大阪府37課程、愛知県29課程、京都府23課程、千葉県・神奈川県・兵庫県が各22課程と続いています。

また、修了後の進路では「一般企業」が40.5%で最も多く、「日本語教師」は26.0%でした。報告書では、日本語教師となった人数が前年度681名から本年度852名へ、171名増加したことも示されています。

数字で見る調査結果

報告書では、養成課程や実践研修の設置状況だけでなく、修了後の進路、担当教員の人数や経験、教育実習の実施方法、受講料、教員の処遇についても集計されています。

修了後の進路

修了後の進路は、回答のあった199機関・3,274件を対象に集計されています。
最も多かったのは「一般企業」で40.5%、次いで「日本語教師」が26.0%でした。
日本語教師になった852件の内訳では、「国内・日本語学校」が77.5%と最も多く、「海外」は13.0%でした。
日本語教師となった人数は前年度の681名から852名へ、171名増加しています。

担当教員について

主たる担当教員数は、1機関あたり「1~3人」が24.4%で最も多く、10人以下の回答が67.4%を占めています。 担当教員全体では常勤が56.0%、非常勤が44.0%でしたが、日本語教員養成研修実施機関では非常勤が70.0%を占めています。

また、担当教員の属性は「常勤・任期なし」が49.1%、「非常勤・任期あり」が31.0%でした。
専任・非専任では、全体では専任48.9%、非専任51.1%とほぼ半数ずつですが、日本語教員養成研修実施機関では非専任が77.6%となっています。
外国人に対する日本語教育経験がある教員は全体で57.9%、日本語教員養成研修実施機関では93.1%でした。

教育実習・実践研修について

教育実習・実践研修を実施している機関は全体で88.5%でした。一方、養成課程・研修を受講していない人に対して、教育実習・実践研修のみの受講を可能としている機関は13.5%にとどまっています。

実施内容では、「オリエンテーション」「授業見学」「教案・教材作成」「模擬実習」「教壇実習」「教育実習の振り返り」などはおおむね9割程度の機関で実施されています。一方、「日本語学習者に対するテスト・宿題の作成・実践」は40.1%でした。

実施時間を見ると、オリエンテーションは3時間以内が86.5%、授業見学は3時間以内が48.2%、教案・教材作成は5時間超が66.1%、模擬実習は5時間超が52.9%、教壇実習は5時間超が44.7%でした。教壇実習の対象は「留学生(日本語学校)」が59.2%、「留学生(高等教育機関)」が44.3%となっています。

オンラインでの教育実習・実践研修については、「オンライン授業は行っていない」が83.6%で最多でした。一部のみオンラインで実施している機関では、「オリエンテーション」が47.2%、「教育実習の振り返り」が41.7%となっています。

実習・教壇実習の担当教員数は「1~3人」が73.9%で、担当教員1名あたりの担当実習生数は10人以下が71.3%でした。担当教員の日本語教育経験年数は「20年以上」が42.9%で最も多く、経験豊富な教員が多く関わっていることがうかがえます。

評価方法では、「パフォーマンスによる評価」が87.4%で最も多く、「実践研修担当教員による総合的評価」が85.9%、「教案等の課題提出による評価」が84.4%でした。

受講料について

課程全体の受講料は、無回答を除くと「50万円以上70万円未満」と「無料」がそれぞれ9.5%、「30万円未満」が8.1%でした。教育実習のみを提供している8件では、「10万円以上15万円未満」と「無料」がそれぞれ25.0%となっています。

また、厚生労働省の求職者支援訓練制度を利用している割合は全体で11.1%、日本語教員養成研修実施機関では42.9%でした。その他の奨学金や自治体等の助成・補助制度を利用している割合は全体で5.4%でした。

担当教員の処遇について

常勤教員の年収は、有効回答443件のうち「1,000万円以上」が21.2%で最も多い結果でした。
ただし、大学等では「1,000万円以上」が26.0%である一方、日本語教員養成研修実施機関では500万円未満が71.6%となっており、機関種別による差が見られます。

謝金単価については、常勤教員では「コマ数による謝金単価は設定していない」が全体で87.6%でした。非常勤教員では、「10,000円以上」が32.7%で最も多く、「3,000円以上5,000円未満」が28.0%、「5,000円以上10,000円未満」が23.7%でした。日本語教員養成研修実施機関では、「3,000円以上5,000円未満」が51.9%で最多となっています。

日本語教師ナビ編集部より

今回の調査では、日本語教員養成課程や実践研修の整備状況に加え、修了後の進路、実習内容、受講料、担当教員の処遇など、養成現場の実態が数字で示されました。

日本語教師となった人数は前年度より増えており、登録日本語教員制度の開始を背景に、日本語教師を目指す人の動きが広がっていることがうかがえます。

一方で、課程数には地域差があり、受講料や実践研修の内容、担当教員の体制にも違いがあります。

登録日本語教員を目指す人は、取得ルートに合う課程かどうかだけでなく、実習内容、費用、学びやすさ、修了後の進路支援まで確認して選ぶことが大切です。

今後は、養成課程や実践研修の選択肢を広げるだけでなく、地域にかかわらず質の高い学びを受けられる体制づくりが求められそうです。

参考サイト

文部科学省 | 文部科学省委託事業 株式会社サーベイリサーチセンター:令和7年度 日本語教員養成課程・実践研修実態調査業務 報告書 令和8年3月

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